特集 アルコールとアンチエイジング
食道・頭頸部がんのリスク因子としてのアルコール摂取
アンチ・エイジング医学 Vol.16 No.5, 40-46, 2020
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)はアルコール飲料,飲料中のエタノール(EtOH),飲酒と関係したアセトアルデヒド(AcH)をヒトの発がん物質とし,口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸・女性の乳房のがんの原因に認定している1)。人口の約4割はAcH代謝が遅いアルデヒド脱水素酵素2(aldehyde dehydrogenase-2;ALDH2)の遺伝的酵素欠損者だが,欠損者の習慣的飲酒はAcHの蓄積で食道・頭頸部がん(扁平上皮がん)のリスクを著しく高める2)。
本稿では飲酒と食道・頭頸部がんの関連につき解説する。
「KEY WORDS」食道がん,頭頸部がん,飲酒,ALDH2,ADH1B
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