総説
畜肉摂取とアンチエイジング
アンチ・エイジング医学 Vol.16 No.3, 120-127, 2020
人生100年時代といわれている今日であるが,平均寿命が50歳を超える民族が出現したのは,わずか1世紀前のことであり,それは欧米先進国で達成された。1891年当時の世界の年間1人あたりの食肉消費量を表1に示した。最初に平均寿命50歳をクリアしたのはオーストラリアとニュージーランド,次いでスウェーデン,米国,英国,フランスがこれに続いた。当時の死因の8割は感染症であったことより,肉の摂取が免疫力を向上させ,長寿をもたらすという説が,1900年代半ばまでは主流をなしていた。日本では当時年間3.0kgの摂取に留まっており,平均寿命は30歳後半であった。平均寿命50歳に達するのに欧米諸国から遅れること50年以上であった1)。
「KEY WORDS」畜肉摂取,サルコペニア,ロコモティブシンドローム,フレイルティ,ダチョウ肉(オーストリッチミート:OM)
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