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投稿論文

ESR法およびルミノール化学発光法を用いたヒトプラセンタ製剤の抗酸化活性評価

守屋美恵佐野佳弘高橋良樹荒川秀俊

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.6, 80-85, 2019

ヒトプラセンタ注射剤(商品名:メルスモン®)のラジカル消去(抗酸化)活性について,活性酸素種で最も細胞傷害性の強いヒドロキシルラジカル(OH)を指標に,電子スピン共鳴(electron spin resonance:ESR)法とイソルミノール化学発光法により検討した。同時に,メルスモン®と同組成のアミノ酸混合液(Sol.D)を調製し,その活性をメルスモン®と比較した。ESR法でヒドロキシルラジカル消去作用についての解析を行い,メルスモン®およびSol.Dの添加によりESRシグナル強度の減弱化が観測された。また,イソルミノール化学発光法においてもメルスモン®とSol.Dの添加により発光量が減少した。両者のヒドロキシルラジカル消去作用の強度を比較するため,ラジカル生成阻害のIC₅₀を算出した結果,メルスモンのそれはSol.Dに比べて有意に高い活性を示した(p<0.01)。上記の2つの解析法の結果から,メルスモン®はヒドロキシルラジカル消去活性をもち,その活性はメルスモン®のアミノ酸以外の成分が関与する可能性が示唆された。
「KEY WORDS」プラセンタエキス,酸化ストレス,抗酸化活性,ESR法,化学発光法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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