近年,肥満が関連する疾患の発症において,腸内細菌叢が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた。ヒトにおいて,アッカーマンシア・ムシニフィラ菌(以下,アッカーマンシア)の減少は,体重増加,肥満,2型糖尿病,高血圧などと関連していることが報告されている。アッカーマンシアは,腸粘膜のバリア機能を強化する作用をもち,血中へのリポポリサッカライドの移行を防いで持続性炎症を抑制し,インスリン抵抗性を改善することで,肥満やメタボリックシンドロームを予防すると考えられている。
本論文は,アッカーマンシアをヒトに投与した初めての無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。対象はメタボリックシンドロームと診断されたBMI 25以上の過体重および肥満のボランティアで,冷凍したアッカーマンシア・サプリメントを,毎日朝食前に3ヵ月間摂取した。アッカーマンシア・サプリメントは,100億個のアッカーマンシア生菌または死菌(70℃で30分間加熱)をグリセロールに混入して作製し,コントロールには同量のグリセロールを用いた。アッカーマンシア生菌群9例,死菌群12例,プラセボ群11例について,安全性,忍容性,メタボリック・パラメータなどを検討した。
本論文は,アッカーマンシアをヒトに投与した初めての無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。対象はメタボリックシンドロームと診断されたBMI 25以上の過体重および肥満のボランティアで,冷凍したアッカーマンシア・サプリメントを,毎日朝食前に3ヵ月間摂取した。アッカーマンシア・サプリメントは,100億個のアッカーマンシア生菌または死菌(70℃で30分間加熱)をグリセロールに混入して作製し,コントロールには同量のグリセロールを用いた。アッカーマンシア生菌群9例,死菌群12例,プラセボ群11例について,安全性,忍容性,メタボリック・パラメータなどを検討した。