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アンチエイジング・ゲノム!

(2)ゲノム解析研究の今:全ゲノムシークエンス

中川英刀

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.5, 66-68, 2019

ヒトゲノム配列は,約30億個のATCGの4文字の情報が二倍体として合わさって構成されている。2003年に完成したヒトゲノム「参照」配列は,13年間で約5,000億円もの費用をかけてDNAシークエンスを行い,99%以上のヒトゲノム配列をカバーしているといわれているが,いまだ残りのギャップについて解析が進められている。約30億個のヒトゲノムの塩基配列は,多型といって個々人で配列の違いがあり,このヒトゲノム多型情報を利用し,さまざまなヒトの遺伝性疾患の家系解析が行われ,多くの疾患原因遺伝子が同定されてきた。1塩基が「参照」配列と異なる多型を一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)と呼び,個々のヒトゲノムには「参照」配列と異なるSNPが約300~400万個(全ゲノム配列の約0.1%)あるとされる。また,数キロから数十万塩基にわたり,本来2コピーあるゲノム領域が,3コピーや1コピーしかないコピー数多型(copy number variation:CNV)も10%存在するといわれている。これらのゲノムの多型とヒトの病気や表現型との関連は,Genome-Wide Association Study(GWAS)という解析方法によって解明されてきている。これまで,数千個ものSNPがヒトの病気や表現型と関連することが報告されている。これら複数の多型情報を組み合わせることにより,病気のリスクを予測することができ,発症の予防や早期発見につながり,個々人の個性に適った医療(個別化医療)へと応用できる。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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