慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)は,長期の喫煙歴がある中・高年者に発症し,進行性に呼吸機能が低下する疾患である。老化とは加齢に伴いさまざまな機能的変化が生体内に生じることであるが,COPDは年齢依存性に罹患率が増加する疾患であり,肺の老化と深く関係する。近年,COPDと老化の関係は肺のみにとどまらず,COPDが心血管疾患や代謝性疾患,骨疾患や筋肉量低下,抑うつといった全身のさまざまな疾患を併存すると報告されている。その背景として酸化ストレスや全身性炎症性変化などがあげられている。本稿では,老化とCOPDの関連について概説する。
「KEY WORDS」COPD,老化,全身性炎症,併存症,サーチュイン