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エイジングサイエンス

出生後早期の腸内細菌叢は骨髄由来免疫抑制細胞を介した大腸発がんを抑制する

春里暁人

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.3, 78-79, 2019

これまでの疫学的研究により,乳幼児期までの過剰な衛生的環境が,最近のアレルギー疾患や自己免疫疾患の急激な増加に影響するとされてきた(衛生仮説)。たとえば,帝王切開により生まれた子供や母乳哺育を受けていない子供は,母親から常在細菌を引き継ぐことができず,そういった環境が気管支喘息や肥満といった疾患の発症に関わる可能性も示唆されている。一方,近年の研究で,消化管には多数の常在細菌が存在し,ヒトの免疫系に影響を与えて疾患の発症や病態に深く関わることが明らかとなってきたが,これまで,乳幼児期の消化管常在細菌と悪性腫瘍の発生に関する関連性については報告されていなかった。大腸がんは日本人のがんによる死亡のうち,女性で第1位,男性で第3位を占め,その罹患者数も増加の一途を辿っているが,本論文で著者らは出生直後の消化管常在細菌と大腸がんの関係を明らかにするため研究を行った。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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