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特集 老化と炎症

代謝と炎症

大石由美子

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.3, 58-61, 2019

免疫と代謝は身体の恒常性を司る維持機構であるが,両者は密接に連携している。一方,最近の研究から,肥満や糖尿病などの代謝異常が,慢性炎症を基盤として発症することが知られるようになった。一方で,肥満や高血糖,脂質異常などの代謝異常が身体に存在すると,マクロファージをはじめとした免疫細胞の機能に変調をきたし,炎症が慢性化しやすくなることも明らかになっている。すなわち,代謝異常は免疫細胞の炎症応答に直接的な影響を及ぼす。このように,免疫と代謝は密に連携して身体の恒常性を維持するとともに,「免疫と代謝(イムノメタボリズム)」の変調や破綻は,生活習慣病をはじめとした多彩な病態の発症や進展とも深く結びついている(図1)。
「KEY WORDS」慢性炎症,脂肪組織,マクロファージ,サイトカイン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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