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特集 老化と炎症

肥満と免疫老化

佐野元昭白川公亮山本恒久

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.3, 48-51, 2019

総務省統計局の発表から,日本における2016年の65歳以上の人口は3,461万人で,総人口の27.3%を占めている。また,65歳以上の高齢化に使われる医療費は全体の59.7%であることから(2014年度,厚生労働省),医療費の増大と生産年齢人口の低下は逼迫した問題である。高齢者は,がん,脳卒中,循環器疾患,2型糖尿病,骨粗鬆症,サルコペニア,認知症など多くの慢性疾患を抱えている。これら加齢関連疾患を誘発する共通の体にとってネガティブな変化はエイジング(老化)である。老化のメカニズムを理解し,「1剤,1疾患」から「1剤の抗老化薬で,複数の疾患治療および予防」へとパラダイムシフトする必要がある。2050年までに65歳以上の人口は40%を超えると予想されている日本においては特に重要である。
「KEY WORDS」細胞老化,オステオポンチン,飽和脂肪酸,単価不飽和脂肪酸,拡張不全型心不全

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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