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総説

声とアンチエイジング

平野滋犬房春彦杉山庸一郎金子真美吉川敏一

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.2, 70-75, 2019

声の老化は誰にでも起こる1)。50歳前後から発生し,徐々に弱く,ハスキーな声になり,これは男性に顕著である。女性の場合は,閉経後の女性ホルモンの影響から,声は低く,ガラガラになることのほうが多い。これらの変化は主に声帯の老化によるが,呼吸や共鳴の衰えも加味される。「たかが声」ではなく,声が出ないことで活動性が落ち,社会からの離脱や失職につながるケースもある。最も怖いのは,その後に起こる嚥下障害である。これも加齢によりすべての人に起こるが,喉頭の機能低下には嚥下筋や嚥下力の低下が伴い,誤嚥性肺炎はその最悪のシナリオとなる。現に,日本人の死因の第3位は肺炎であり,このなかには誤嚥性肺炎が相当数含まれるといわれる。このように,声を維持することは,音声言語の意味合いだけでなく,嚥下を維持すること,健康な体力を維持することにつながり,健康長寿を考える上で非常に重要と思われる。現在,声のアンチエイジングに関しては世界中で多くの研究や対策が講じられつつある。
「KEY WORDS」声,声帯,活性酸素,音声訓練,抗酸化薬

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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