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特集 胆汁酸とアンチエイジング

核内受容体FXR─大腸炎,大腸発がん抑制への可能性

大東敏和菅野啓司田妻進

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.2, 62-67, 2019

炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎,クローン病は,厚生労働省特定疾患医療受給者証交付件数でみると,2006年度ではそれぞれ9万627人,2万5,700人であり,2016年度では16万7,872人,4万2,789人と罹患数が増加している。また,大腸がんの罹患率と死亡率も増加傾向にある。2016年の統計によると,がんによる死亡数のうち,大腸がんによるものは男性で第3位,女性で第1位となっている。大腸がんの発生には環境要因の寄与が大きく,特に食生活習慣の欧米化がリスクファクターとして重要視されている。脂肪や肉類の高摂取による発がんの機序として,動物性脂肪の摂取は発がん促進作用のある二次胆汁酸の生成を高め,これが大腸粘膜に作用して発がんのプロモーターとなると考えられている。
一方で,胆汁酸をリガンドとする核内受容体のfarnesoid X receptor(FXR)は,胆汁酸合成の抑制作用や抗炎症作用,抗線維化作用を示すことが報告されており,大腸炎や大腸発がん抑制の治療戦略ターゲットとして期待されている。本稿では,大腸炎,大腸発がん抑制におけるFXRアゴニストの可能性について述べる。
「KEY WORDS」胆汁酸,FXR,大腸炎疾患,大腸がん

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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