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特集 胆汁酸とアンチエイジング

胆汁酸・腸内細菌を標的にした大腸がん予防

内山和彦内藤裕二

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.2, 56-61, 2019

わが国における大腸がんの罹患率と死亡率は増加傾向にあり,2016年の統計では,がんの死亡数のなかで男性では大腸がんが第3位,女性では第1位となっており,大腸を結腸と直腸に分けた場合,男性では結腸がんが第4位,直腸がんが第7位,女性では結腸がんが第2位,直腸がんが第9位と報告されている。大腸がんのリスク因子としては,加齢,既往歴,家族歴,遺伝的素因などのほか,環境因子として食生活の変化,運動量の減少,肥満などが考えられている。特に食生活に関しては高脂肪食,野菜や食物繊維摂取の減少などが重要であると考えられている。近年,治療・診断技術の進歩により,特に欧米諸国では大腸がん死亡率は低下しているが,わが国においてはそのような低下傾向はみられず,大腸がん死亡率が最も高い国の一つとしてあげられている1)
高脂肪食の摂取は腸管内のデオキシコール酸などの二次胆汁酸を増加させ,また腸内細菌叢の多様性の低下(dysbiosis)も誘導する。近年,大腸発がんにおけるこれら脂質,胆汁酸および腸内細菌の関与が明らかになりつつあり,その機序の解明は大腸がんの予防,早期発見の一助になると考えられる。本稿では,大腸がんと腸内細菌の関連について,当院での試みも含めて概説する。
「KEY WORDS」胆汁酸,大腸がん,血清胆汁酸プロファイル,アガロオリゴ糖,dysbiosis

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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