<< 一覧に戻る

特集 胆汁酸とアンチエイジング

核内レセプター発現とNAFLD発症進展への胆汁酸代謝異常の関与

中牟田誠

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.2, 20-23, 2019

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,病態が軽微で非進行的な非アルコール性脂肪肝(non-alcoholic fatty liver:NAFL)から,肝硬変や肝がんへと進行する非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:NASH)までの幅広いスペクトラムを有し,NAFLDの多くは肥満,糖尿病,脂質異常症などを背景に発症してくる。マウスに高脂肪食を与えると肥満とNAFLを呈するが,胆汁酸が表面活性剤として脂肪の吸収に働くことを考えると,高脂肪食を食した際により多くの胆汁酸が必要となり,ひいては胆汁酸代謝に影響を与えうることは容易に想像できる。
さて,核内レセプターとは,そのリガンドが直接結合することにより,標的遺伝子の転写を調節する転写因子のことである。胆汁酸代謝においては,さまざまな核内レセプターが関与しているが,最も重要なものはfarnesoid X receptor(FXR)である。胆汁酸がリガンドとなり,肝臓や腸における胆汁酸代謝を制御している。したがって,胆汁酸は表面活性剤としての物理的特性のみならず,近年は生理活性物資としても注目を集めており,FXRは創薬のターゲットとなっている。本稿では,胆汁酸代謝とその制御機構,そして実際のヒトNAFLDにおける胆汁酸代謝の変化について,FXRを中心に述べていきたい。
「KEY WORDS」胆汁酸代謝,核内レセプター(FXR),CYP7A,FGF19,NAFLD

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る