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特集 温故知新の医療技術「ワクチン」

近年のワクチン開発の話題;結核ワクチンからがん免疫療法まで

大平裕太石井健

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.1, 20-27, 2019

ワクチンは,予防医学の中心を担うツールとして古くから利用されてきた最も古い医療技術の一つであり,公衆衛生の要として知られる。Jennerに始まる天然痘ワクチンである種痘は,地球上から天然痘ウイルスを排除し,ポリオに関しても,ワクチン接種により世界中の大部分の地域において消滅している。現在,ワクチンで防ぐことのできる感染症(VPD)は約20種類存在する。新たな感染症ワクチンの開発も積極的に進められており,産学を問わず多くの開発研究が進んでいる。抗原,デリバリー,アジュバントといったワクチンの要素技術革新が進み,ワクチン開発のターゲットはがん,生活習慣病,アレルギーなどにも広がっている。誌面の都合により本稿ではこれらのワクチンすべてを紹介できないため,感染症領域からは結核について,非感染症領域からはがんに関する近年のワクチン開発状況を概説する。
「KEY WORDS」ワクチン,感染症,結核,非感染症,がん免疫療法

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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