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エイジングサイエンス

SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は,2型糖尿病患者において,DPP-4阻害薬に比較し,全死亡率を有意に低下させる

坂井亮介福井道明

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.6, 100-104, 2018

現在,世界中で2型糖尿病患者数が増えている。これに対し,さまざまな経口血糖降下剤が開発され,長期的な血糖コントロールの改善,ならびに糖尿病合併症予防に貢献してきた。しかし,糖尿病患者の死亡率や心血管疾患罹患率は依然高い状況にあり,このことは医療制度にとっても大きな課題である。近年,新規経口血糖降下剤としてDPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬といったインクレチン製剤,また尿糖排泄により血糖を低下させるSGLT2阻害薬が登場した。これに伴い現在の国際ガイドラインでは,目標血糖コントロールが困難な2型糖尿病患者に対するメトホルミンの追加療法として,SGLT2阻害薬およびインクレチン作動薬が推奨されている。しかし,現在までに,これら新規3薬剤の全死亡および心血管死に対する直接比較試験は行われていない。
今回,著者らは2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬,DPP-4阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の全死亡および心血管死における有効性を,ネットワークメタアナリシスを用いて比較検討を行った。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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