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特集 食品の糖化,生体の糖化,抗糖化

マルチトール

棟居聖一山本靖彦山本博

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.5, 72-75, 2018

マルチトールやキシリトールなどの糖アルコールは,熱や酸に安定であり,消化吸収されにくく,カルボニル基をもたないことから糖化反応が起こりにくいと考えられており,食品加工の分野でショ糖の代わりの甘味料として使われている。糖化反応により生成される終末糖化産物(advanced glycation end-products:AGE)は,食品加工の過程で形成されて生体内に吸収され,あるいは加齢に伴い生体内で形成され蓄積される。蓄積されたAGEは,加齢関連疾患をはじめとしたさまざまな病態に関与していることが明らかになり,近年,抗糖化に関する研究に関心が集まっている。しかし,糖アルコールの抗糖化効果についてはあまり明らかにされていない。本稿では,糖アルコールの一つであるマルチトールの糖化に及ぼす効果を,AGE形成能とAGE受容体(receptor for AGE:RAGE)を介した細胞内シグナル伝達系で評価した結果について述べる。
「KEY WORDS」マルチトール,糖アルコール,AGE,抗糖化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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