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特集 体内時計とアンチエイジングupdate

睡眠─覚醒リズムのアンチエイジング

松尾雅博栗山健一

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.4, 56-61, 2018

わが国は,世界でも類を見ない超高齢社会に突入し,高齢者の生理機能変化に対する理解と対応が必要とされている。特に,心身の活動量や筋力・柔軟性の低下がフレイルやロコモティブシンドロームなどと呼ばれて注目されているのに対し,睡眠-覚醒リズムの加齢性変化はあまり注目されていない。しかし,加齢に伴う睡眠-覚醒リズムの変化は,高齢者の日常生活動作・機能においてさまざまな影響を及ぼすことが報告されている。また,睡眠は脳の恒常性維持に重要な役割を担っていることから,睡眠-覚醒の障害は恒常性維持機能の低下を介し,認知症の発症・促進因子になり得ると報告されている。このため,睡眠-覚醒リズムの加齢性変化に適切に対処することは,抗加齢医療において極めて重要である。
「KEY WORDS」体内時計,視交叉上核,認知症,光環境,運動

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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