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誌上ディベート

糖質制限の是非

江部康二宇都宮一典

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.3, 77-86, 2018

糖尿病患者における最適な食事療法とは,適正なエネルギー量で,栄養バランスがよく,規則正しい食事を実践し,糖尿病合併症の発症または進展の抑制を図れる食事であり,日本糖尿病学会は炭水化物の摂取比率50~60%を推奨している。
糖質制限が,糖尿病食事療法の一つのオプションとして提案されている。糖質制限の利点として,食後高血糖の改善,体重減少などが報告されているが,合併症に対する長期的な効果を考えることも重要である。糖質さえ減らせば他は何を食べてもよいというのではなく,糖質制限を実施する際には脂質・たんぱく質の質も考慮した食事療法を実施する必要があると考える。また,食物繊維,ビタミン,ミネラルが不足しないように,そして腸内環境を整えるためにも野菜をしっかり食べることも必要と考える。
糖尿病,肥満に対する食事療法のなかで,最適な栄養素摂取比率についての科学的根拠が乏しいのが現実である。食事療法の有効性,安全性,継続性なども考慮した食事療法が有用と考えるが,糖質制限の是非につき皆様はいかがお考えでしょうか。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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