<< 一覧に戻る

総説

生体内修復幹細胞:Muse細胞の作る新しい医療の可能性

出澤真理

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.2, 62-69, 2018

我々は2010年に,成人の骨髄や皮膚から,ストレス耐性であることをきっかけとして腫瘍性をもたない多能性幹細胞Multilineage-differentiating stress enduring(Muse)細胞を発見した1)。Stage specific embryonic antigen-3(SSEA-3)を指標に骨髄,末梢血,あらゆる臓器の結合組織から分離可能である1)-3)。SSEA-3は,マウスでは受精卵から8細胞期,桑実胚や内細胞塊,epiblast stem cellsなどの初期発生の多能性段階において細胞膜上に発現する糖脂質を認識する抗体であり,ES細胞などの多能性幹細胞でもマーカーとなっている4)。このような初期発生のマーカーで標識される細胞が,成人の成体にも存在することに,当初我々も驚いた。Muse細胞は生体由来のソースだけでなく,市販の間葉系幹細胞や線維芽細胞などのなかに数%の割合で含まれている3)。このようにアクセスのしやすさから,再生医療への実現化が期待される細胞として認識された。
「KEY WORDS」多能性,点滴投与,修復効果,スフィンゴシン1リン酸,抗炎症効果

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る