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特集 リンパ管からみたアンチエイジング

リンパ管の解剖学と老化

下田浩

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.2, 27-32, 2018

脊椎動物の循環系の基本骨格を成すのはいうまでもなく心臓・血管系であるが,ヒトを含む哺乳類の体にはもう一つの循環器であるリンパ管系がよく発達している。血管系が血液の流れからみると,心臓から始まり動脈-毛細血管-静脈を経て心臓に還る閉鎖循環路を形成しているのに対し,リンパ管系はそれによって運ばれる液(リンパ)の流れからみると,身体の末梢から始まり中枢の血管(静脈)に合流する一方通行の循環路を形成している。この点からみると,リンパ管系は正確には,毛細血管より組織内に滲み出た体液(組織液),タンパクなどの高分子成分,組織の代謝や障害などで生じた老廃物,病原物質,白血球などをリンパとして回収し,リンパ節を経由して血液に戻す輸送路といえる。このリンパ管系は,体液や組織の恒常性の維持と免疫反応,さらに摂食した脂肪の吸収・運搬において唯一無二の働きをしており,我々の体では欠くことのできないシステムである。
「KEY WORDS」ヒトリンパ管系,解剖学,毛細リンパ管,集合リンパ管,老化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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