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特集 漢方とアンチエイジング

見た目の老化と漢方治療─養生─

山田秀和

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.6, 36-39, 2017

現代的“未病医学”は,近畿大学東洋医学研究所の有地 滋教授が提唱し,現在に至っている1)。予防医学を目指す抗加齢医学でも,未病は理解しやすく,また実践しやすい領域と思われる。漢方薬では生薬を用いる点が特徴的2)で,その多くに抗酸化機能がある。薬物代謝は,内服が一般的で腸内細菌を介している可能性が高く,現在のマイクロバイオーム(microbiome)の研究の進展で解明が今後に期待される。
たとえば,カンゾウ(甘草)の主成分であるグリチルリチンの代謝は,そのままでは難吸収性であるが,腸内細菌叢のEubacterium属に含まれるβ-グルクロニダーゼによって糖が切断され,グリチルレチン酸の脂溶性が高まり吸収されるという。グリチルリチンの効果の個体差は,Eubacterium属に含まれる細菌によって生じると考えられている。腸内細菌によって切断された糖は,腸内細菌が取り入れてエネルギー源になるとされている。
「KEY WORDS」漢方,抗加齢医学,皮膚,容貌,体形,養生

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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