日本は超高齢社会を迎え,総人口における65歳以上の割合を示す高齢化率は,2015年に26.7%と過去最高を更新した1)。全世界においても,今後半世紀で高齢化率は2倍以上に高まると予測されており,老化や長寿のメカニズムについての関心がますます高まっている。
ウェルナー症候群(Werner syndrome:WS)やハッチンソン・ギルフォード症候群(Hutchinson-Gilford progeria syndrome:HGPS)に代表される早老症では,若年から禿頭や動脈硬化などの老化様症状が出現し,あたかも正常の老化を模倣するような病態であることから,これまで老化のモデル疾患として研究されてきた。これら早老症の研究は,患者自身の利益になるのみならず,全人類を取り巻く「老化」という「不治の病」に対し,新たな光を照らすことにつながると期待される。本稿では,上記2疾患の臨床的特徴や分子メカニズムについて,最新の知見を交えながら概説する。
「KEY WORDS」早老症/ウェルナー症候群/WRN/ハッチンソン・ギルフォード症候群/LMNA
ウェルナー症候群(Werner syndrome:WS)やハッチンソン・ギルフォード症候群(Hutchinson-Gilford progeria syndrome:HGPS)に代表される早老症では,若年から禿頭や動脈硬化などの老化様症状が出現し,あたかも正常の老化を模倣するような病態であることから,これまで老化のモデル疾患として研究されてきた。これら早老症の研究は,患者自身の利益になるのみならず,全人類を取り巻く「老化」という「不治の病」に対し,新たな光を照らすことにつながると期待される。本稿では,上記2疾患の臨床的特徴や分子メカニズムについて,最新の知見を交えながら概説する。
「KEY WORDS」早老症/ウェルナー症候群/WRN/ハッチンソン・ギルフォード症候群/LMNA