現在,日本のみならず世界的に高齢化社会が進行しており,2050年には,世界の全人口の約18%が65歳以上になると予想されている。このような高齢化社会の進行に伴って,老化関連疾患,すなわち悪性腫瘍,また糖尿病・耐糖能障害や高血圧を背景とした虚血性心疾患や脳血管疾患の罹患率も上昇を認めている。これらの老化関連疾患の治療にあたっては老化のメカニズム解析が必要であり,ひいては個体レベル,さらには細胞レベルでの老化におけるメカニズム解析が求められる。本稿では,細胞老化に重要な分子の一つであるp53に着目し,特に近年の研究で明らかになってきている細胞老化のメカニズムについてのレビューを行う。
「KEY WORDS」がん抑制遺伝子p53,細胞老化,代謝調節,核リプログラミング
「KEY WORDS」がん抑制遺伝子p53,細胞老化,代謝調節,核リプログラミング