<< 検索結果に戻る

細胞老化とSASPの生体における役割

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.4, 23-29, 2017

細胞老化とは,細胞に強いDNA 損傷が生じた際に,異常をきたした細胞を増殖させないために,細胞周期を不可逆的に停止させる生体防御機構であり,重要ながん抑制機構であることが知られている。しかし,アポトーシスとは異なり,細胞老化を起こした細胞は死滅せず,長期に生体内に生存する。近年,この細胞老化を起こした細胞が,がん促進作用のある炎症性サイトカインやケモカイン,細胞外マトリックス分解酵素(プロテアーゼ類),増殖因子など,さまざまな分泌タンパク質を産生することが明らかになり,この現象は細胞老化随伴分泌現象(senescence-associated secretory phenotype:SASP)と呼ばれ,その生体における役割が注目されている。SASPの役割として,組織損傷修復のような生体にとって有益な作用も明らかになってきているが,SASPが長期に持続すると,慢性炎症やがんを促進することがわかってきた。本稿では,SASP誘導機構と,その生体における役割について概説する。
「KEY WORDS」細胞老化,SASP,がん微小環境,デオキシコール酸,肝星細胞

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

掲載雑誌詳細 この雑誌の目次を見る

抄録