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特集 エピジェネティクスとアンチエイジング

老化と癌におけるエピジェネティクス

金田篤志眞野恭伸

アンチ・エイジング医学 Vol.12 No.6, 24-29, 2016

正常細胞を培養すると,有限回数の細胞分裂の後に,もうこれ以上分裂しない,不可逆な細胞増殖停止状態に至ることが知られる1)。これを細胞老化という。継代培養による老化は,テロメア長が短縮してDNA損傷への応答が起きることが一因とされるが,それ以外にもエピジェネティックな分子機構が密接に関わる。加齢による老化はこの継代培養による老化に類似すると考えられるが,これとは別に細胞は酸化ストレスや癌遺伝子の活性化など,外的なストレスによっても同様の細胞増殖停止状態に至ることが知られ,これを早期細胞老化と呼び,加齢による細胞老化と多くの共通する分子機構をもつ。
「KEY WORDS」癌,加齢,細胞老化,DNAメチル化,SASP

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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