<< 一覧に戻る

総説

ω3脂肪酸の分子栄養学

Molecular Nutritional Science of ω3 Fatty Acids

有田誠

アンチ・エイジング医学 Vol.11 No.6, 61-67, 2015

「はじめに」脂質はエネルギー源,生体膜成分,シグナル分子としての機能をもち,生命活動において必須である。生体内には多様な脂肪酸分子種が存在し,その質の違いや代謝バランスの変化が,さまざまな炎症・代謝性疾患に関わることが示唆されている。たとえば,魚油や健康食品などに含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω3脂肪酸は,抗炎症作用や心血管保護作用をはじめとする健康増進効果に優れていることが知られている。しかしながら,これらの脂肪酸がなぜ体によいのか,その分子レベルでの作用機序はいまだに不明な点が多い。我々は,生体内の脂肪酸バランスをコントロールすることが,はたしてどの程度ヒトの健康寿命や疾患リスクに影響するのかを科学的に検証し,そのメカニズムを分子レベルで明らかにすることを目指している(図1)。
「Key Words」ω3脂肪酸,抗炎症作用,リピドミクス,脂質メディエーター

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る