「はじめに」平均寿命が延長したことで,老化に対して多くの人が関心をもっており,老化とともに発症する疾患の予防や老化の進行を遅延させることが望まれている。老化を逃れることはできないが,少しでも老化を遅らせることは,多くの疾患の発症を遅らせることができ,健康寿命を延ばすことができる。ヒトの場合,老化に伴い皮膚の菲薄化や白内障など,さまざまな臓器で機能的・形態的変化が起こるといわれている。肝機能検査での変化はあまりないことから,肝臓は老化に伴う変化が少ない臓器と考えられるが,肝臓の重量減少,代謝能予備能低下,薬剤代謝の低下などが起こるとされている1)。本稿では,肝臓におけるこれまでの老化に関する研究と,老化進行遅延化の可能性について概説する。
「Key Words」肝臓,老化,抗酸化,小型魚類モデル
「Key Words」肝臓,老化,抗酸化,小型魚類モデル