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脳をだましてアンチエイジング?
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.11 No.4 102-104,
2015
著者名
坪田 一男
記事体裁
抄録
疾患領域
神経疾患
/
眼疾患
/
アンチエイジング
診療科目
神経内科
/
眼科
/
老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
僕の大好きな映画に「マトリックス」がある。キアヌ・リーブス主演のこの映画では,人類世界はすべて脳の中に置き換えられ,巨大なコンピューターが各人の脳とつながって世界を作っている。人類は寝ているのだが,脳とつながったコンピューターの中で仮想空間が作られ,そこで生きていくという物語である(明らかに運動不足です!)。我々が生きるということは脳が生きるということであり,脳が美味しいと感じれば美味しいし,脳が気持ちよいと感じれば気持ちよいし,すべての体験は脳によるという考え方だ。さて,最近の研究で,エイジングのマスターコントロール臓器はどうも脳にあるということがわかってきた。エイジングに関わる臓器には,膵臓,肝臓,筋肉,心臓などなどさまざまなものがあるが,これらの臓器は脳の管理下にあり,特に下垂体による代謝のコントロールがエイジングのコントロールに最も大きな影響を与えている1)。幸せな人は長生きする! Happy People Live Longer!の考え方もやはり脳の影響が大きいことを示唆しており,脳は万能のようである。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。