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総説

褐色脂肪とアンチエイジング

The Whitening of Brown Fat and its Pathological Implications for Obesity

清水逸平南野徹

アンチ・エイジング医学 Vol.11 No.4, 65-69, 2015

「はじめに」老化は,一定の制御メカニズムを伴った生命現象であることが今日明らかになってきた。種を超えて保存され,老化研究において最も研究されているのがインスリンシグナル経路である。多くの種,実験モデルを用いた研究により,インスリンシグナルの抑制は寿命を延長することが報告されている。そのため,肥満,メタボリックシンドロームが老化を促進する主な原因は,高インスリン血症を介した,インスリンシグナルの過剰な活性化が主因であると広く受け入れられている。肥満に伴うインスリン抵抗性(高インスリン血症),糖尿病の発症に,白色内臓脂肪における炎症細胞浸潤による脂肪炎症が中心的な役割を果たすと考えられてきた。全身には内臓脂肪,皮下脂肪,血管周囲脂肪,心臓周囲脂肪,褐色脂肪など,さまざまな種類の脂肪が存在し,互いに異なる特性を有することがわかってきた。
「Key Words」褐色脂肪,肥満,糖尿病,インスリン抵抗性,老化

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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