「Sir2はNAD+依存性ヒストン脱アセチル化酵素だった」2000年にImaiとGuarenteは,SIR2(silent information regulator 2)がnicotinamide adenine dinucleotide(NAD+)依存性ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)であることを明らかにした。それまでよくその働きが知られていなかったサーチュインが,実はNAD+に代表される細胞内エネルギー代謝状態のセンサーとして働き,生物の寿命・老化と密接に関係する長寿遺伝子である可能性が示唆された。SIR2とそのオルソログは,酵母,線虫,ショウジョウバエにおいて老化・寿命の重要な正の制御因子であると報告された1)2)。さらに,サーチュインは,カロリー制限(CR)によりもたらされるさまざまな好ましい効果,たとえば,抗老化作用や寿命延長効果を仲介した1)2)。
「Key Words」AKT,カロリー制限,サーチュイン,ミトコンドリア,脱アセチル化