<< 一覧に戻る

特集 心臓のアンチエイジング

テロメアは心臓の若さの指標になるか?

Telomere Length as a Potential Indicator of Heart Aging

寺井政憲

アンチ・エイジング医学 Vol.11 No.4, 27-33, 2015

「テロメアとは何か?」細胞分裂,染色体の複製は,生命の一大イベントとでもいうべく,極めて厳密に制御されている。細胞が分裂するには,染色体を末端から末端まで正確に複製しなければならない。そのためには,どこからどこまでかを間違えなく把握することが必要になる。その標識とでもいうべく染色体の末端には,6塩基(TTAGGG)の反復配列が存在している。その領域をテロメアと呼んでいる1)。生体にとって,染色体の末端が露出していると,修復が必要と認識される。テロメアの反復配列は,修復が必要と勘違いされないように,染色体の末端を保護する役目も果たしている。ヒトの細胞は,分裂ごと,染色体を複製するごとに,テロメアの反復配列を手がかりに末端から末端までを複製するが,その際に染色体末端の印であるテロメアの繰り返し配列の部分が,確率的な問題(反復配列をどこまで複製するかの問題)であるが,鋳型となっている元の染色体よりも少しずつ短縮していくことになる。
「Key Words」心筋,テロメア,加齢(エイジング),心疾患,心重量,病理解剖

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る