特集 心臓のアンチエイジング
心臓のアンチエイジングの臨床的指標は何か?
What is a Clinical Index for Cardiac Anti-aging
アンチ・エイジング医学 Vol.11 No.4, 18-26, 2015
「はじめに」血圧脈波検査が簡便に施行できる検査機器が普及するとともに,「血管年齢」という言葉が広く認知されるようになった。一方で,「心臓年齢」という言葉はあまり聞かない。それでは,心臓も歳をとるのか。答えはイエスである。心臓は年齢を経ても,見た目の動きこそ変わりないようにみえるが,実は少しずつ硬くなっていき,「血流の流れ込み」に障害が生じるようになる。これを循環器病学では「拡張能の低下」という。左室拡張能が低下すると,労作などで心臓の負担が生じたときに左室充満圧は上昇しやすくなり,労作に伴う息切れが出現するようになる。高齢者が息切れを訴えるのは,決して下肢筋力の低下だけが原因ではない。心臓そのものが加齢現象を生じていることも大きな要因である。
「Key Words」加齢,拡張能,心不全,心エコー図,ドプラ法
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。