編集委員に聞く 日本の知恵を探る
第30回 飽食暖衣は却って命短し
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.11 No.3 94,
2015
著者名
南野 徹
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
日本は戦後目覚ましい経済成長を遂げ,世界でも有数の豊かな国になった。現代の日本は,衣食に不自由のない,まさに「飽食暖衣の時代」といえよう。しかし,「飽食」はさまざまな生活習慣病の原因となる肥満を招き,大きな問題となっている。現在わかっている長寿のための最も有効な方法の一つがカロリー制限であるということは本誌でも何度も述べられているとおりであり,「飽食」が命を短くすることは科学的に示されているといっても過言ではない。それでは,「暖衣」はどうであろうか。人間は低温に曝されると筋肉を震わせて熱を産生するが,この応答は短期的であり,長期的には褐色脂肪組織が熱を産生する。脂肪組織には白色脂肪組織(white adipose tissue:WAT)と褐色脂肪組織(brown adipose tissue:BAT)が存在する。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。