アメリカエイジング研究の現場から 研究最前線レポート
第22回 老化とメタボリック・リプログラミング─サプリメントの分子生物学的機序
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.11 No.3 89,
2015
著者名
金木正夫
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
時間が不可逆的に進行することを,相対性理論や量子論と整合性のある形で説明できる物理学の理論は,今のところないようです。しかし,私たちは,言うまでもなく,子どもから大人に成長して年を重ねていきます。将来,新しい物理理論によって老化というプロセスから完全に解放されるということは,SFの世界でない限り,私には想像できません。老化を制御し,規定している生物学的な法則を発見する努力は続けられてきましたが,今のところ,決定的な学説は確立されていないと考えられます。地球上の生命が誕生してから今日まで生命は存在し続けていますから,生殖細胞のレベルでは進化はあっても老化は考えられません。また,大腸菌でも老化を定義することは困難でしょう。個体における不可逆的変化が老化の基礎にあることが推測されます。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。