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特集 毛髪のサイエンス

3 色素幹細胞がストレスに抵抗する仕組みとエイジング

Maintenance of Melanocyte Stem Cell Pool and Aging

上野真紀子西村栄美

アンチ・エイジング医学 Vol.10 No.4, 32-38, 2014

「はじめに」 我々の体を構成するさまざまな組織臓器で, 加齢に伴うステムセルエイジングとこれに伴う組織の機能低下が知られるようになりつつある. 白髪は誰もが経験する最も典型的な老化現象の一つである. 我々は, ヒトやマウスなどの哺乳類の毛包に存在する色素幹細胞を発見し, その枯渇が加齢に伴う白髪発症の鍵になることを明らかにしてきた. 最近, そのメカニズムとして毛周期やゲノムストレスに着目し, 幹細胞プールがストレスに抵抗する仕組みを明らかにしたので, 解説したい.
「色素細胞について」 皮膚の色素細胞(メラノサイト)は, 表皮や毛包においてメラニン色素を産生し, 色素を供給する. 表皮や表皮から発生してくる毛包のように直接に外胚葉に由来する角化細胞とは異なり, 色素細胞系譜は神経堤に由来し, ダイナミックな遊走を経て全身の表皮や毛包などに局在するようになる. 発生後にはメラニン合成を行い, 角化細胞に色素を供給する. 毛包においては, 毛母の色素細胞がメラニン色素を産生し, それが角化細胞を経て毛皮質および毛髄質に供給されることで, 毛に色素が沈着する1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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