【特集 食欲を科学する】
6 摂食概日リズムと視床下部
Circadian Feeding Rhythm and Hypothalamus
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.10 No.2 46-51,
2014
著者名
中田正範
/
矢田俊彦
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
神経疾患
/
アンチエイジング
診療科目
一般内科
/
整形外科
/
産婦人科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
神経内科
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老年科
/
心療内科
/
精神科
媒体
アンチ・エイジング医学
「はじめに」 我々の体内における各臓器・細胞の生命活動にはリズムがあり, 生体リズムの一つとして概日リズムが重要である. 地球上のすべての生物は, 24時間周期の地球の自転によりすべからく24時間ごとに朝を迎える. 全身の細胞内の自律的な体内時計が, 光刺激で補正されて24時間の概日リズムに調律される. 全身の神経・内分泌機能はこの概日リズムの調節を受けている. これは35億年前の生物誕生時に獲得した性質である. しかし, 現代社会における長時間通勤, 夜間労務, 24時間営業のコンビニエンスストアなどの環境変化は, 生活習慣を夜型に変化させ, ヒトの概日リズムを乱すようになってきている. 正常な概日リズムは生理機能を維持する上で重要であり, 概日リズムの乱れはがんおよび代謝性疾患と関連することが明らかになってきている. 摂食行動の日内変動はほとんどの哺乳類に認められる. ラットを明期・暗期12時間ずつの24時間周期で飼育すると, 暗期に大部分の摂食が行われ, 明期の開始とともに摂食行動を中止する(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。