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特集 食欲を科学する

5 AMPKによる摂食調節機構

Regulatory Role of AMPK in Feeding Behavior

箕越靖彦

アンチ・エイジング医学 Vol.10 No.2, 40-45, 2014

「はじめに」 AMPキナーゼ(AMP-activated protein kinase : AMPK)は, 酵母から植物, 哺乳動物に至るほとんどの真核細胞に発現するセリン・スレオニンキナーゼである1). AMPKは, 細胞内エネルギーレベルの低下(AMP/ATP比の上昇)によって活性化し, 代謝, イオンチャネル活性, 遺伝子発現を変化させてATPレベルを回復させる. このことからAMPKは“代謝センサー”と呼ばれている. AMPKは近年, 抗糖尿病薬メトホルミンの標的分子であること, またアディポネクチンやレプチンの代謝調節作用において重要なシグナル分子であることが明らかにされ, 肥満, 糖尿病分野で注目されるようになった. さらに近年の研究により, 視床下部において, AMPKが摂食や代謝など個体全体のエネルギー代謝に調節作用を営むことが明らかとなった2)3). 興味深いことに, AMPKは細胞内カルシウム動態を変化させるだけでなく, 末梢組織と同様に, 代謝やmTORシグナルに作用を及ぼす.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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