【特集 食欲を科学する】
4 グレリンによる摂食調節機構
A Mechanism of Feeding Regulation by Ghrelin
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.10 No.2 36-39,
2014
著者名
松元信弘
/
中里雅光
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
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消化器
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神経疾患
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栄養管理
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アンチエイジング
診療科目
一般内科
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消化器内科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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神経内科
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腫瘍内科
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老年科
媒体
アンチ・エイジング医学
「はじめに」 グレリンは, 1999年にKojima, Kangawaらによってヒトの胃から発見されたペプチドで, 当初は成長ホルモン(GH)分泌を強力に刺激するgrowth hormone secretagogue receptor(GHS-R)の内因性リガンドとして知られていた1). グレリンは胃底腺のA/X様細胞から産生され, ヒトにおいて遺伝子は3番染色体短腕に局在している. 94個のプログレリンよりシグナルペプチドが切断され, C末端側はオベスタチンとして分泌されている. グレリンは28アミノ酸からなるペプチドで, 3番目のセリン残基がオクタン酸によりアシル化されており, このアシル化修飾がグレリンの生物活性にとって必須のものと考えられている1). グレリンのアシル化はグレリン-O-アシル-トランスフェラーゼにより修飾される. 血中グレリンの半減期は約10分と短く, 容易に不活化されてデスアシル体となる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。