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特集 食欲を科学する

1 インクレチンによる摂食調節機構

The Food Intake Regulation Mechanism of Incretin

山田祐一郎高嶋悟

アンチ・エイジング医学 Vol.10 No.2, 18-23, 2014

「はじめに」 摂食は恒常的摂食(homeostatic feeding)と快楽的摂食(hedonic feeding)に大別され, 中枢と末梢を結ぶエネルギー代謝制御には, 視床下部と脳幹での恒常的摂食調節が機能している. 延髄孤束核は, 脳幹の摂食調節中枢の一つであり, その尾側部にプレプログルカゴン遺伝子が発現している. GLP-1は食事摂取に伴い主に小腸下部に存在するL細胞から分泌されるインクレチンの一つであるが, 孤束核でも腸L細胞と同様のプロセシングによりGLP-1が産生される. GLP-1受容体は多様な臓器で発現しており, GLP-1のさまざまな膵外作用が知られている(図1). GLP-1は中枢神経系にも働き, 食欲を抑制する効果があることが示唆されている. GLP-1が食物摂取を用量依存的に抑制するとわかり, さらにGLP-1受容体の拮抗物質であるexendin(9-39)を脳室内投与することよって, 中枢神経系におけるGLP-1シグナルが遮断されると, ラットにおいて食物摂取を増加させて体重増加を促進することが示された1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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