【特集 今後期待される新規バイオマーカー】
5 血中microRNAバイオマーカーによる早期診断とmicroRNAを制御する天然化合物による先制医療の可能性
The potential of microRNAs as Biomarker and the Role of Natural Products for Regulating microRNAs
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.10 No.1 40-44,
2014
著者名
萩原啓太郎
/
落谷孝広
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
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糖尿病
/
神経疾患
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骨・関節
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癌
診療科目
循環器内科
/
整形外科
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産婦人科
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糖尿病・代謝・内分泌科
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神経内科
/
腫瘍内科
媒体
アンチ・エイジング医学
「はじめに」microRNA(miRNA)は, 非翻訳型の小分子RNA(Small non-coding RNA)の一つであり, 1993年に線虫で発見され1), 現在に至るまで, 動植物を含むさまざまな生物種でmiRNAの存在が確認されている. miRNAは標的遺伝子のmRNAの3'UTR(非翻訳領域)に結合することで, 配列相補的にその翻訳を抑制している. 驚くべきことに, これらmiRNAはたんぱく質がコードしている領域の約30%を制御しているといわれている2). また, miRNAは個体の発生, 細胞の分化, 代謝といったさまざまな生命現象の微調整役(ファインチュナー)として働いており, その発現のバランスが崩れることで70以上もの疾患に結びつくことがわかっている3). 特に, がんにおいては, miRNAの発現が正常細胞に比べて相対的に減少していることが報告されており4), miRNAの発現制御機構や機能を解明することは, がんに対する新たな診断や治療方法の開発に寄与すると考えられる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。