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総説

眼のエイジング・サイエンス

小沢洋子

アンチ・エイジング医学 Vol.8 No.6, 75-80, 2012

「はじめに」眼のエイジングというと, まず思い浮かべるのは老視(老眼)であろう. ヒトは, 見たいと思う対象物までの距離に応じ, 眼の屈折力を調節する能力をもって生まれる. 加齢に伴いその調節力が低下する「調節障害」が老視である. 誰もが経験して不便を被る, 極めて頻度の高い眼のエイジングである. しかし, 現代の超高齢化社会ではより重篤な, すなわち日常生活への影響がより大きな加齢性疾患の発症が増えてきた. これまでは一部の人だけが罹患すると思われてきた, 加齢に伴い発症・進行する疾患の罹患率, 有病率が高くなってきた. 現に, 日本国内の社会的失明原因の上位を占める疾患は, 緑内障, 糖尿病網膜症, 網膜色素変性症, 加齢黄斑変性などといずれも加齢性疾患である. 外部環境に関する情報の70~80%は, 視覚を通して得られるとされる. これが障害されることは, 行動の自由を奪われることになりかねず, Quality of Vision(QOV)だけでなく, Quality of Life(QOL)の観点からも大きな関心を集めている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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