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特集 レスベラトロール

特集にあたって

古家大祐坪田一男

アンチ・エイジング医学 Vol.8 No.6, 19-19, 2012

2012年9月総務省統計局からの報告では, 65歳以上の老年人口が総人口に占める割合は24.1%となっている. この現状に加えて少子化問題を考慮すると, 20年後には30%強が65歳以上となり, わが国は超高齢化社会に突入する. こうした問題に対処するための重要な解決策は, 高齢者が肉体的・精神的健康を維持し, 個人としても社会においても生産的な老後を送ることである. したがって, 加齢とともに近年の飽食時代に著増している癌を含む生活習慣病, メタボリックシンドローム, それに関連するQOLを損なう血管障害に対し, 新たな予防法と治療法を講じていくことが, わが国にとって急務の課題である. メタボリックシンドロームに対する予防の基本は栄養バランスを考えたカロリー制限と適度な運動であり, 健康的な生活習慣が健康を保つ遺伝子群を発現させると考えられている. しかしながら, 現代において腹八分をしっかりと守り, 運動習慣を継続することは難しい. 一方, 従来まで体によいとされていたフードファクターの中には, 遺伝子に働きかけて健康を守る一群があることがわかってきた. その代表が, 長寿遺伝子とされるサーチュインを活性化するレスベラトロールである. そこで, 本特集では, レスベラトロールの構造と作用メカニズムをそれぞれの分野で活躍されている現役の先生方に概説していただいた. 次いで, 一般臨床において, 加齢とともに増加する疾患である循環器疾患, 慢性腎臓病, サルコペニアと認知症, 癌に対するレスベラトロールのアップデートされた応用と効果を, それぞれ説明していただいた. 本特集が, 加齢疾患を診療されている先生方だけでなく, かかりつけ医の先生方を含め, 看護師, 管理栄養士, 薬剤師, 理学療法士, 臨床検査技師の先生方にもお役に立ち, 健康長寿につながればこの上ない喜びである.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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