編集委員に聞く 日本の知恵を探る
第15回 禍は口より出で,病は口より入る
掲載誌
アンチ・エイジング医学
Vol.8 No.4 109,
2012
著者名
斎藤 一郎
記事体裁
抄録
疾患領域
アンチエイジング
/
その他
診療科目
一般内科
/
老年科
/
その他
媒体
アンチ・エイジング医学
「禍は口より出で, 病は口より入る」とは古来いわれている言葉だが, 江戸時代の本草学者・貝原益軒が『養生訓』で紹介したことでも有名である. 『養生訓』にはこうある. 「古人『禍は口より出で, 病は口より入』といへり. 口の出しいれ常に慎むべし. 」まずは, 前半の「禍は口より出で」からみていくことにしよう. 一般的に「口は災いのもと」とはまさにこのことを指していよう. 要は「言葉には気をつけなさい」ということだが, 言葉で災いを呼び込んでしまうというのはコミュニケーション・スキルの低さが原因であることがしばしばである. 現代社会におけるストレスの多くが人間関係に基づくものであることを考えると, コミュニケーション・スキルが高いか低いかによってストレスの量も変わってくるといえる. つまり, コミュニケーション・スキルが低いために人間関係に支障をきたすと, ストレスが増し老化を促進させてしまうということになる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。