特集 老化を促進する危険因子としての糖化ストレス
AGEs受容体
アンチ・エイジング医学 Vol.8 No.1, 25-28, 2012
「はじめに」非酵素的糖化反応によって生じる後期糖化反応生成物(advanced glycation end-products: AGEs)は糖尿病血管合併症, 動脈硬化, 神経変性疾患, 加齢関連疾患に原因的に関わりうる1). グリケーションによる細胞・組織障害は, グリケーション自体によって直接引き起こされる障害, つまり具体的には分泌タンパク, 細胞外マトリックスタンパク, 膜タンパク, 細胞内機能タンパク, さらには核酸や生体膜脂質などが直接修飾・構造変化を受けることによるものと, それに加え形成されたAGEsが特異的リガンドとして認識され, 細胞応答が生じるといった細胞表面レセプターを介する系がある1). 本稿では, 後者の細胞表面レセプターを介する系, なかでもRAGE (receptor for advanced glycation end-products)に着目し, 加齢関連疾患, 各種病態における機能的役割ついて考えてみたい.
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