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アディポネクチンとアンチエイジング

4 百寿者とアディポネクチン

Adiponectin and Healthy Aging in Centenarians

新井康通広瀬信義

アンチ・エイジング医学 Vol.7 No.3, 34-38, 2011

Summary
 As population of the aged have been expanding rapidly worldwide, it has become increasingly important to identify factors that offer the means to promote healthy ageing. It is well documented that advancing age is associated with increased body fat and blunted insulin action. Centenarians, who are the best model of successful aging, are a unique exception to this phenomenon. Increasing evidence has documented the preservation of insulin sensitivity and glucose homeostasis along with the very low prevalence of metabolic syndrome, diabetes, and cardiovascular disease among centenarians. We demonstrated that centenarians has a high serum concentration of adiponectin, which was associated with a favorable metabolic phenotype, including higher levels of HDL-C and lipoprotein lipase, and lower levels of hemoglobin A1c, C-reactive protein and E-selectin concentrations. These observations suggested that high adiponectin concentration may be potentially important for maintaining health and function and could be a target for anti-aging medicine.

Key Words
●健康長寿 ●百寿者 ●アディポネクチン ●メタボリックシンドローム

はじめに

 人口の高齢化は,21世紀の国際社会が直面する最も大きな社会現象の一つである。わが国は四半世紀に及び世界の最長寿国となっており,85歳以上の超高齢者の人口はすでに全国で350万人を超え,総人口の2.8%を占めるに至っている。このような長寿社会を迎えつつある今日,健康長寿の達成が個人にとっても社会にとっても重要な課題となっている。アンチエイジング医学の目的は健康長寿のメカニズムの解明とその実践にあるが,健康長寿を体現している百寿者(100歳以上の高齢者)はメタボリックシンドロームや糖尿病になりにくいことが知られている。我々は百寿者研究を通じて,脂肪組織から分泌されるアディポネクチンの制御が健康長寿の達成に重要な働きをもち,内臓脂肪の減少とインスリン抵抗性の改善を目的としたメタボリックシンドローム対策がアンチエイジング医学の実践につながる可能性を指摘したので概説する。

百寿者にみられる健康長寿のフェノタイプ

 百寿者研究は1980年代後半から始められ,その後の百寿者人口の急速な増加とともに現在では世界中で盛んに研究が行われている。我々の研究グループは,1992年より東京地区で百寿者の医学調査を始め,さらに2002年からは全国105歳(超百寿者)調査を開始し,現在まで百寿者の健康長寿のメカニズムに関する研究を続けている。百寿者の特徴として最初に注目されたのは,免疫能の亢進状態である(図1)。

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