Keratitis-ichthyosis-deafness syndromeを略してKID症候群と呼ぶが，その基本的な皮疹は魚鱗癬ではなく紅斑角皮症ないし魚鱗癬様紅皮症である^1）．出生時もしくは幼少期に，一過性の紅皮症を呈することが多い．その後，境界明瞭な角化性紅斑もしくは疣状局面が左右対称性に出現する（図1a，b）．鳥肌様の粗造な皮膚は，必ずしも典型的な魚鱗癬とは言えない（図1c）．
先天性の感音性難聴，進行性の角膜炎は診断に必須であり，患者のQOLに大きな影響を与える．