<< 一覧に戻る

写真で学ぶアレルギー

これが急性汎発性膿疱性細菌疹だ!

山﨑修片山治子

皮膚アレルギーフロンティア Vol.18 No.3, 51, 2020

急性汎発性膿疱性細菌疹(acute generalized pustular bacterid;AGPB)は1974年にTan1)により最初に報告された疾患であり,以下の5つを特徴とする.①上気道感染の先行がみられ,高ASO値を伴う.②膿疱出現時に軽度の発熱を伴う.③膿疱は掌蹠に始まり,手背や足背を中心として体幹四肢に発する.④組織学的に角層下膿疱とleukocytoclastic vasculitisを認める.⑤皮疹軽快後に再燃がない.本邦では原著とは異なり,血管炎を認めない症例,掌蹠膿疱症(pustulosis palmaris et plantaris;PPP)の既往のある症例,再発例などが報告されており,類縁疾患とされる膿疱性細菌疹との異動が議論されている.膿疱性細菌疹とはAndrewsら2)により報告された膿疱性疾患であり,①慢性的に手掌や足底に認める膿疱病変,②組織学的には,表皮肥厚や錯角化を伴わずに膿疱を形成する,③局所的な感染と関係し,しばしば溶連菌感染に伴う,④局所的な感染巣に対しての治療により治癒する,を特徴とする.病態からは同一のスペクトラムの疾患と思われるが,組織学的に血管炎の有無によりAGPBと区別すべきという意見もみられる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る