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特集 抗菌ペプチドとマイクロバイオーム

2 乾癬と抗菌ペプチド

髙橋隼也

皮膚アレルギーフロンティア Vol.18 No.3, 13-16, 2020

乾癬は角化細胞,T細胞,好中球,樹状細胞といった多様な細胞のクロストークによる全身性炎症性疾患である.β-ディフェンシン,S-100,カセリサイディンといった抗菌ペプチドは角化細胞などから分泌され,種々の機序で自然免疫系を賦活化し,炎症を惹起して乾癬の病態形成にかかわる.とくにこれらの抗菌ペプチドにより自己DNAや自己RNAといったDAMPsの受容体への結合を強め,活性化された形質細胞様樹状細胞(pDC)や角化細胞自身からのインターフェロン分泌を促して乾癬での炎症を惹起する機序が示されつつあり,今後の治療への応用が期待される.
「KEY WORDS」β-ディフェンシン,S-100,カセリサイディン(LL-37),DAMPs,NETs

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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