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写真で学ぶアレルギー

原因確定後にもうっかり見落とさないようにしたい接触皮膚炎

伊藤明子

皮膚アレルギーフロンティア Vol.17 No.2, 71-72, 2019

図1は,今から10年前に大学病院皮膚科で受けたパッチテストでパラフェニレンジアミン(p-phenylenediamine;PPD)が陽性となったことから,酸化染毛剤による接触皮膚炎と診断された症例である.当時は頭皮に症状があるのみで,酸化染毛剤の使用を中止することで症状は落ち着いたが,3年前から,なるべくかゆみが軽微な酸化染毛剤を選んで染毛を再開し,頭皮に続いて腹部や背部にもかゆみを生じた.近医皮膚科で対症治療を受けていたが,難治であったため,当院を受診した.当院でパッチテストを行いPPDの陽性反応を再確認できたが(図2a),染毛剤のオープンテストは陰性(図2b)であった.染毛中止後,頭皮と体幹の皮疹は改善した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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