21世紀に入り,次世代シーケンサーの登場により細菌叢(マイクロバイオーム)の研究は大きく発展した.ヒトの正常な細菌叢に対する理解が進むとともに,細菌叢が乱れて多様性が低下した状態であるdysbiosisは,全体として機能の劣ったマイクロバイオームであることが明らかとなっている.Dysbiosisは全身のさまざまな疾患と関連していることが示唆されており,近年はアレルギー疾患との関連に注目が集まっている.本稿では,皮膚と腸管の細菌叢とアトピー性皮膚炎の関連を示すマウスモデルやヒトのコホート研究から得られた知見について概説する.
「KEY WORDS」細菌叢,次世代シーケンサー,マイクロバイオーム,Dysbiosis,プロバイオティクス